工業高校電気科で使われる『静電気』の公式集

工業高校の電気科で使われる『静電気』に関連する公式まとめ

工業高校の電気科で学ぶ工学は大学レベルのものです。なぜこの公式が導出されるのかを考える前に、公式を覚えて紐解いていきましょう。

静電力と電界に関する公式

静電気に関するクーロンの法則

2つの点電荷\(\ Q_1,Q_2[C]\ \)が距離\(\ r[m]\ \)だけ離れて存在するとき、これらの間で働く静電力\(\ F[N]\ \)は次式のようになる。

$$
F={k}\times{\frac{Q_1Q_2}{r^2}} [N] $$

また、\(\ k\ \)は比例定数で、MSK単位系では次のようになる。

$$
k=\frac{1}{4\pi\varepsilon}
$$

ここで、\(\ \varepsilon\ \)は物質の誘電率といい、用いられた媒質の材料によって定まるもので次式で表される。

$$
\ \varepsilon={\varepsilon_0}\times{\varepsilon_r}\\
\varepsilon_0={8.855}\times{10^{-12}}[F/m]:真空の誘電率 \varepsilon_r:媒質の比誘電率
$$

これらの式より静電力\(\ F[N]\ \)は次のようになる。

$$
F=\frac{1}{4\pi\varepsilon}\cdot\frac{Q_1Q_2}{r^2}=\frac{1}{4\pi\varepsilon_0\varepsilon_r}\cdot\frac{Q_1Q_2}{r^2} [N] $$

また、真空中では\(\ \varepsilon_r=1\ \)となるので、静電力\(\ F[N]\ \)は次のようになる。

$$
F=\frac{1}{4\pi\varepsilon_0}\cdot\frac{Q_1Q_2}{r^2}={9}\times{10^9}\times{\frac{Q_1Q_2}{r^2}} [N] $$

電界

静電気の働く空間を電界といい、電界中のある点に単位電荷\(\ (+1C)\ \)を配置したとき働く力の大きさと方向をその点の電界の強さといいそれは次式のようになる。

$$
E=k\cdot\frac{Q}{r^2}=\frac{1}{4\pi\varepsilon}=\frac{Q}{r^2} [V/m] $$

電界の強さ\(\ E[V/m]\ \)の点に\(\ Q[C]\ \)の電荷を置くと、これに働く力\(\ F[N]\ \)は次式のようになる。

$$
F=QE [N] $$

電気力線と電位に関する公式

電気力線

電界の強さが\(\ E[V/m]\ \)の位置では、電界の方向と垂直な面の単位面積を\(\ E\ \)[本]の電気力線が通過する。ここで、\(\ Q[C]\ \)の電荷の位置を中心とした半径\(\ r[m]\ \)の球の全表面を通る電気力線の総本数を\(\ N\ \)とすると次式で表すことができる。

$$
N=4\pi r^2E=\frac{Q}{\varepsilon} [本]   E=\frac{Q}{4\pi\varepsilon r^2} [V/m] $$

ここで媒質が異なると、その媒質によって\(\ \varepsilon\ \)は変化する。これによって電気力線の様子も変化する。
ここで電気力線を束(たば)にまとめ、周囲の媒質に無関係な量を仮定する。これを電束といい、単位面積あたりの電束密度を考え、それを\(D\)とすると、次式で表すことができる。

$$
D=\frac{Q}{4\pi r^2}=\varepsilon E [C/m^2] $$

これらの式から、\(Q[C]\)の電荷からは\(Q\)[本]の電束が出ることになる。

電位

電荷\(\ Q\ \)をA点からB点へ移動させる時、電荷が行った仕事を\(\ W[J]\ \)とすると次式のように表すことができる。

$$
W=QV [J] $$

また、この式より電圧を求めると、A点を基準としたB点の電位となり、次式となる。

$$
V=\frac{W}{Q} [V] $$

電位の基準点(電位が零である点)は理論上、無限遠点(はるか遠く)であるが、実際では地面の電位を基準とする。
電荷\(\ Q[C]\ \)の点電位から\(\ \ r[m]\ \)離れた点の電位\(\ V[V]\ \)は次式のようになる。

$$
V=\frac{1}{4\pi\varepsilon}\cdot\frac{Q}{r} [J] $$

電界の強さがどこでも等しい平等電界\(\ E[V/m]\ \)内においては、電界の方向に距離\(\ r[m]\ \)だけ離れた2点間の電位差\(\ V[V]\ \)は次のようになる。

$$
V=rE [N] $$

コンデンサ・静電容量と静電エネルギーに関する公式

コンデンサ

向かい合って絶縁された一対となる導体に\(\ +Q,-Q\ \)の電荷を与えると、ことの導体の間に吸引力が働き、電荷を蓄えることができる。このような絶縁体を挟んだ一対の導体をコンデンサという。
導体間の電位差を\(\ V[V]\ \)で、電荷を\(\ Q[C]\ \)とするとその関係は次式のようになる。

$$
Q=CV [C]   C=\frac{Q}{V} [F] $$

ここで\(\ C\ \)をコンデンサの静電容量といい、単位には\(\ [F]\ \)ファラドを用いる。

平行板コンデンサの静電容量

極板面積を\(\ A[m^2]\ \)、極板間隔を\(\ d[m]\ \)、極板間の絶縁物の誘電率\(\ \varepsilon[F/m]\ \)とすると、平行板コンデンサの静電容量\(\ C[F]\ \)は次式のようになる。

$$
C=\varepsilon\frac{A}{d} [F] $$

コンデンサの並列接続

合成静電容量(コンデンサn個並列接続の場合)

$$
C_0=C_1+C_2+C_3+\cdots+C_n [F] $$

全電荷(コンデンサn個並列接続の場合)

$$
Q_0=Q_1+Q_2+Q_3+\cdots+Q_n [C] $$

特徴

・コンデンサの両端の電圧(電位差)は等しい
・各コンデンサの電荷は各コンデンサの容量に比例する

コンデンサの直列接続

合成静電容量(コンデンサn個の直列接続の場合)

$$
C_0=\frac{1}{\frac{1}{C_1}+\frac{1}{C_2}+\frac{1}{C_3}+\cdots+\frac{1}{C_n}} [F] $$

全電圧(コンデンサn個直列接続の場合)

$$
V_0=V_1+V_2+V_3+\cdots+V_n [V] $$

特徴

・各コンデンサの電荷は等しい
・各コンデンサの両端の電圧はコンデンサの容量に反比例する