工業高校電気科で学ぶ『情報技術』の知識集

工業高校の電気科で使われる『情報技術』に関連する用語まとめ

工業高校の電気科で学ぶ情報に関する用語は資格試験にも頻出です。まず用語を暗記して、後からそれぞれの関係性を理解していきましょう。

目次

コンピュータの信頼性に関する知識

RASISとは

信頼性(Reliability)、使用可能性(Availability)、保守容易性(Serviceability)、完全性(Integrity)、安全性(Security)の英語頭文字を合わせた指標のこと

稼働率について

コンピュータが一定期間安定して動作する能力を平均故障間隔(MTBF)という。

また、コンピュータに障害が発生した場合に、修理に要する平均の時間を平均修理時間(MTTR)という。

これらの時間を用いて稼働率を表すと次のような式になる。

$$
稼働率=\frac{MTBF}{MTBF+MTTR}
$$

ネットワークシステムに関する知識

ネットワークについて

通信装置と通信回路を使って接続されたコンピュータの組織をコンピュータネットワークという。

処理について

集中処理

複数の端末を中央の大型コンピュータと通信回路などで接続し、端末から入力したデータやプログラムの処理を全て中央のコンピュータに行わせる処理方式のこと。

分散処理

コンピュータに対する負荷を分散し、複数のコンピュータや端末を有機的に結合させてシステム全体として効率よく行う処理方式のこと。

ネットワークの規模について

LAN(Local Area Network)

学校や工場、1つのビルなどの限られた範囲内のコンピュータや周辺機器を接続したネットワークのこと。

WAN(Wide Area Network)

公衆回線や専用回線を使ってほかの地域のコンピュータやLANに接続した広域のネットワークのこと。

ネットワークプロトコルについて

プロトコルとは

コンピュータ間で通信を行うときにネットワークに接続しデータを送受信するための取り決め。約束事。

OSI基本参照モデル

 

階層 機能
第7層
アプリケーション層
(Application layer)
電子メールなどデータ通信を利用した様々なサービスを端末の利用者や他のプログラムに提供する。
第6層
プレゼンテーション層
(Presentaition layer)
セッション層から受け取ったデータをユーザーが理解できる形式に変換したり、アプリケーション層から送られてくるデータを通信に適した形式に変換する。
第5層
セッション層
(Session layer)
通信プログラム同士がデータの送受信を行うための、データ伝送路の確立や開放を行う。
第4層
トランスポート層
(Transport layer)
相手まで確実に効率よくデータを伝送するための通信制御を行い、データ転送の品質を保証する。
第3層
ネットワーク層
(Network layer)
データ伝送するための通信経路の選択や接続、解放を行い、伝送や中継などの制御も行う。データ・パケットの分割・融合などもこの層で行われる。
第2層
データリンク層
(Data link layer)
通信相手との物理的な通信路を確保し、送受信データの誤り検出などを行う。
第1層
物理層
(Physical layer)
データを通信回線に送出するための電気的な変換や機械的な仕様。ピンの形状などもこの層で定められる。

ソフトウェアの権利と保護に関する知識

ソフトウェアの法的保護

知的所有権

工業所有権

新しい発明の保護のための特許権など

著作権

表現形式を保護するため

ソフトウェアに関する著作権

 

著作者人格権 公表権 まだ公表されていない著作物を公衆に提供し、または提示する権利
氏名表示権 著作物を公表する際に、実名または変名を著作者名として表示したり、著作者名を表示させない権利
同一性保持権 著作物の内容や表題を、著作者の意に反して変更や切除などの改変をさせない権利
著作物財産権 複製権 著作物をコピー(複製)する権利
貸与権 著作物を貸与により公衆に提供する権利
翻案権 著作物を変形、または脚色するなど翻案する権利

数の取り扱いに関する知識

情報と2進数について

コンピュータは電気信号で動作する。ここで高い電圧を”1″、低い電圧を”0″とすると数を0と1のみで表現することになり、これを2進数という。そして、コンピュータで取り扱う場合は8桁や16桁などでまとめた桁数の2進数を仕様する。また、この桁のことをビットという。

2進数から10進数への変換

2進数の各桁は下位から\(\ 2^0,\ 2^1,\ 2^2,\ 2^3,…\ \)の重みを持っており、”1″の箇所の重みを加えたものが10進数である。

$$
{(0110)}_2=2^2+2^1={(6)}_{10}
$$

10進数から2進数への変換

2で割り、そのあまり(0または1)を出す。その商を再度2で割り、あまりを出す。これを商が”0″になるまで続ける。そして、出たあまりを出てきた順の逆に並べたものが2進数となる。

$$
4÷2=2\ 余り\ ”0” 2÷2=1\ 余り\ ”0” 1÷2=0\ 余り\ ”1”\\
{(4)}_{10}={(100)}_{2}
$$

8進数について

2進数3桁(3ビット)を0~7までの記号で表したもの

16進数について

2進数4桁(4ビット)を0~9とA,B,C,D,E,Fの記号で表したもの

2進化10進数(BCD)

10進数の格桁を4ビットの2進数で表したもの

換算表

 

10進数 2進数 8進数 16進数 2進化10進数(BCD)
0 0 0 0 0000 0000 0000
1 1 1 1 0000 0000 0001
2 10 2 2 0000 0000 0010
3 11 3 3 0000 0000 0011
4 100 4 4 0000 0000 0100
5 101 5 5 0000 0000 0101
6 110 6 6 0000 0000 0110
7 111 7 7 0000 0000 0111
8 1000 10 8 0000 0000 1000
9 1001 11 9 0000 0000 1001
10 1010 12 A 0000 0001 0000
11 1011 13 B 0000 0001 0001
12 1100 14 C 0000 0001 0010
13 1101 15 D 0000 0001 0011
14 1110 16 E 0000 0001 0100
15 1111 17 F 0000 0001 0101
16 10000 20 10 0000 0001 0110
50 110010 62 32 0000 0101 0000
100 1100100 144 64 0001 0000 0000
255 11111111 377 FF 0010 0101 0101

 

2の補数について

2進数で負(マイナス)の値を表現する場合「2の補数」を使用する。また、手順は次の通りである。

\(\ {(-3)}_{10}\ \)での例を次に示す。

数字部分を2進数の4ビット表記にする。

$$
{(0110)}_{2}
$$

全ての”0″と”1″を入れ換える

$$
{(1001)}_{2}
$$

入れ替えた2進数に1を足す

$$
{(1001)}_{2}+1={(1010)}_{2}
$$

1を足された答えが5ビット目に”1″が出たとしても無視して下位4ビットのみを答えとする

$$
A.\ {(1010)}_{2}
$$

論理回路とブール代数に関する知識

基本的な論理回路

AND(論理積)

論理式

$$
X=A•B
$$

図記号

真理値表

 

入力
出力
\(A\) \(B\) \(X\)
0 0 0
0 1 0
1 0 0
1 1 1

OR(論理和)

論理式

$$
X=A+B
$$

図記号

真理値表

 

入力
出力
\(A\) \(B\) \(X\)
0 0 0
1 0 1
0 1 1
1 1 1

NOT(否定)

論理式

$$
X=\overline{A}
$$

図記号

真理値表

 

入力 出力
\(A\) \(X\)
0 1
1 0

NAND(否定論理積)

論理式

$$
X=\overline{A•B}
$$

図記号

真理値表

 

入力 出力
\(A\) \(B\) \(X\)
0 0 1
1 0 1
0 1 1
1 1 0

NOR(否定論理和)

論理式

$$
X=\overline{A+B}
$$

図記号

真理値表

 

入力 出力
\(A\) \(B\) \(X\)
0 0 1
1 0 0
0 1 0
1 1 0

EX-OR(排他的論理和)

論理式

$$
X=\overline{A}•B+A•\overline{B}
$$

図記号

真理値表

 

入力 出力
\(A\) \(B\) \(X\)
0 0 0
1 0 1
0 1 1
1 1 0

ブール代数の定理

 

恒等元(単位元) 同一の法則
\(A+0=A\) \(A+1=1\)
\(A•0=0\) \(A•1=A\)
\(A+A=A\) \(A•A=A\)
補元(相補法則) 回帰法則(二重否定)
\(A+\overline{A}=1\) \(A•\overline{A}=0\) \(\overline{\overline{A}}=A\)
交換法則 結合法則
\(A+B=B+A\)
\(A•B=B•A\)
\(A+(B+C)=(A+B)+C\)
\(A•(B•C)=(A•B)•C\)
吸収法則 分配法則
\(A+A•B=A\)
\(A•(A+B)=A\)
\(A+B•C=(A+B)•(A+C)\)
\(A•(B+C)=A•B+A•C\)
ド・モルガンの定理(AND-OR変換)
\(\overline{A+B}=\overline{A}•\overline{B}\) \(\overline{A•B}=\overline{A}+\overline{B}\)

論理回路の応用に関する知識

比較回路(コンパレータ:Comparator)

一致回路

入力信号が同じ場合、出力が”1″になる回路のことである。

不一致回路

入力信号が同じでない場合、出力が”1″になる回路のことである。

大小比較回路

A,Bの入力に対し、A,Bの各値により三つの出力を持つ回路のことである。

符号器(エンコーダ:Encoder)

10進数を2ビットの2進数への変換例

論理回路

真理値表

 

入力 出力
\(A=0\) \(B=1\) \(C=2\) \(D=3\) \(X_1\) \(X_2\)
1 0 0 0 0 0
0 1 0 0 0 1
0 0 1 0 1 0
0 0 0 1 1 1

復号器(デコーダ:Decoder)

2ビット2進数から10進数への変換例

論理回路

真理値表

 

入力 出力
\(A\) \(B\) \(X_1=0\) \(X_2=1\) \(X_3=2\) \(X_4=3\)
0 0 1 0 0 0
0 1 0 1 0 0
1 0 0 0 1 0
1 1 0 0 0 1

半加算器(Half-Adder)

論理回路

真理値表

 

入力 出力
\(A\) \(B\) \(C\) \(S\)
0 0 0 0
0 1 0 1
1 0 0 1
1 1 1 0

全加算器(Full-Adder)

論理回路

真理値表

 

入力 出力
\(C_{n-1}\) \(A_{n}\) \(B_{n}\) \(C_{n}\) \(S_{n}\)
0 0 0 0 0
0 0 1 0 1
0 1 0 0 1
0 1 1 1 0
1 0 0 0 1
1 0 1 1 0
1 1 0 1 0
1 1 1 1 1

フリップフロップ回路に関する知識

RSフリップフロップ

論理回路

真理値表

 

入力 出力
\(R\) \(S\) \(Q\) \(\overline{Q}\)
0 0 \(Q\) \(\overline{Q}\)
0 1 1 0
1 0 0 1
1 1 \(\times\) \(\times\)

タイムチャート

クロック同期形RSフリップフロップ

論理回路

タイムチャート

Dフリップフロップ

論理回路

タイムチャート

Tフリップフロップ

論理回路

タイムチャート

JKフリップフロップ

論理回路

真理値表

 

入力 出力
\(J\) \(K\) \(Q_n\) \(\overline{Q_{n}}\)
0 0 \(Q_{n-1}\) \(\overline{Q_{n-1}}\)
1 0 1 0
0 1 0 1
1 0 \(\overline{Q_{n-1}}\) \(Q_{n-1}\)

タイムチャート

JKフリップフロップの応用

Dフリップフロップ化

Tフリップフロップ

レジスタ

Dフリップフロップを利用し、2進数のデータを一時的に記憶し、クリックに従って取り出せるようにした回路のことである。

カウンタ

Tフリップフロップを利用してクロックによって数を2進数でカウントする回路のことである

コンピュータの構成に関する知識

コンピュータ5大装置とデータの流れについて

主記憶装置(メモリ)

半導体記憶素子で構成される。電源がOFF状態でも記憶を保持できるものを「ROM」、そうでないものを「RAM」という。

ROMの種類

・マスクROM ・PROM ・EPROM ・EEPROM ・フラッシュメモリ など

RAMの種類

・SRAM ・DRAM ・SDRAM

補助記憶装置

 

記憶方式 装置名 記憶容量
磁器記録 ハードディスク(HD) 数百GB
フロッピーディスク(FD) 数MB
磁気テープ 数GB
レーザー記録 CD-ROM, CD-R 約1GB
DVD-ROM, DVD-R, DVD+R など 数GB
BD-ROM, BD-R, BD-RE など 数十GB
半導体記録 ICメモリ(フラッシュメモリ) 数GB

入力装置

 

種類 装置名 用途
キーボード キーボード 文字や数字、記号を入力する
ポインティング
デバイス
(座標入力装置)
マウス カーソルの座標などを入力する
ディジタイザ カーソルの座標などを入力する
タッチパネル 画面を指などで触り入力する
光学式入力 OMR マークシート、資格試験など
OCR マークシートの文字などを読み取る
イメージスキャナ 画像データを読み取る
バーコードリーダー バーコードを読み取る、POSシステムなど
磁気入力 MICR 磁気インクで記録された文字を読み取る

出力装置

 

種類 装置名 用途
印字装置
(作図装置)
インクジェットプリンタ カラーインクによりカラー印刷もできる
レーザプリンタ 1枚ごと印刷する、電子複写機と同じ構造
感熱プリンタ 感熱紙が必要なもの、切符、レシートなど
熱転写プリンタ インクリボンが必要なもの
プロッタ CADなどの出力に使用される
表示装置 液晶ディスプレイ 液晶モニタに文字や画像を表示する
LEDディスプレイ LEDマトリクスに文字などを表示する、電光掲示板など
CRTディスプレイ CRTに文字や画像を表示する
音声出力装置 音声合成装置 コンピュータのデータを人工的な音声で出力する

マルチメディアに関する知識

静止画像データの形式

 

名称 解説 拡張子
BMP Windows,OS/2で標準のファイル形式 bmp
GIF 8bitカラーの画像形式で連続表示させたアニメーション化も可能 gif
JPEG ISOなどの合同組織により標準化された形式で圧縮量を加減できる
デジタルカメラなどによく使用され、連続表示で動画像化もできる
jpg
jpeg
PNG GIFより圧縮率が高く、可逆圧縮形式、ライセンスフリー、フルカラー png
PICT MacOSで使用されるファイル形式である pict, pct
TIFF 高密度、非圧縮で異機種間での交換ができる tiff

そのほかのファイル形式

 

種類 名称 解説 拡張子
動画像 AVI Windowsで標準の動画像のファイル形式 avi
MPEG1 ISOなどの合同組織により標準化された形式でビデオCDにも使用される mpg
mpeg
MPEG2 MPEG1の画質を高めたものでDVDビデオやディジタル放送に使用される
MPEG3 携帯電話やアナログ回線などの低速な回線で利用するための動画圧縮形式
MP3 MPEG1 Audio Layer3の略称でMPEG1により音を圧縮した形式 mp3
ACC MPEG2やMPEG4で使われる音を圧縮した形式で、同音質の場合MP3より圧縮率が高い、また、ディジタル放送の音声信号に使用される m4a
MIDI 電子音源を持つ装置で使用できる形式、ソフトウェアにより再生することもできる midi
WAVE Windowsで標準の音のファイル形式 wav
文書 TEXT 文字データのみの形式 txt
HTML WWWなどで使用される、文字データの中に画像や音のデータも組み込むことができる html
htm

インターネットに関する知識

通信回線

 

名称 解説 接続装置
アナログ回線 一般の固定電話の回線でアナログのもの モデム
ISDN 一般の固定電話の回線でディジタルのもの、電話、FAX、コンピュータ通信などが複数同時に使用できるもの DSUとTA
ADSL 一般の固定電話の回線でアナログのものを使用し、通信速度が上下方向で異なることが特徴で、電話と同時使用ができる 専用モデムとスプリッタ
FTTH 光ファイバーケーブルを使用して超高速な通信ができる 回線終端装置
CATV ケーブルテレビの回線を利用したもの 専用モデム
モバイル回線 LTEなどの携帯電話回線を利用しWiFi機器と無線通信を行う モバイルルータ

インターネットの利用

 

種類 名称 解説
ビジネス EC 電子商取引のことでインターネット上で企業、個人関係なく自由な取引ができる
ASP インターネットを通じ、様々なソフトの使用や提供を行う企業のこと
電子メール SMTP メールサーバ間で電子メールの転送などを行うプロトコル
POP3 クライアントがメールサーバから電子メールを受信するためのプロトコル、メールボックスに届いた電子メールは一括して受信される
IMAP4 POP3と同様にメールサーバから電子メールを受信するためのプロトコル、電子メールはメールサーバで管理され、ヘッダ情報をみて受信するかを判断する
マークアップ言語 HTML 文章や画像データなどの論理構造を記入したもので主にWebページに使用される
XML HTMLよりユーザーが独自のタグを使用し、構造などを自由に設定することができる
SGML 文章の論理構造や意味構造を記述するもので、電子出版などに利用される