工業高校電気科で使われる『直流回路』の公式集

工業高校の電気科で使われる『直流回路』に関連する公式まとめ
工業高校の電気科で学ぶ工学は大学レベルのものです。なぜこの公式が導出されるのかを考える前に、公式を覚えて紐解いていきましょう。

抵抗に関する公式

オームの法則

$$
I= \frac{V}{R}\\I\ [A]:電流\ ,\ V\ [V]:電圧\ ,\ R\ [Ω]:抵抗
$$

合成抵抗

直列接続

$$
R_0=R_1+R_2+R_3+\cdots+R_n [Ω] $$

並列接続

$$
R_0=\frac{1}{\frac{1}{R_1}+\frac{1}{R_2}+\frac{1}{R_3}+\cdots+\frac{1}{R_n}} [Ω] $$
並列接続で抵抗が2つの場合
$$
R_0=\frac{{R_1}\times{R_2}}{R_1+R_2} [Ω] $$

コンダクタンス

$$
G=\frac{1}{R} [S] $$

電気計測器に関する公式

倍率器

電圧計の内部抵抗を\(\ R_V\ \)、倍率器を\(\ R_m\ \)とする。電圧計の最大測定電圧が\(\ V_V\ \)で、測定したい電圧を\(\ V\ \)とする。

$$
R_m=(m-1)R_V\ [Ω] , m=\frac{V}{V_V}
$$

分流器

電流計の抵抗を\(\ R_a\ \)、分流器を\(\ R_S\ \)とする。電流計の最大測定電流が\(\ I_a\ \)、測定したい電圧を\(\ I\ \)とする。

$$
R_S=\frac{R_a}{m-1} [Ω] , m=\frac{I}{I_a}
$$

ブリッジ回路

抵抗\(\ R_1\ \)と抵抗\(\ R_2\ \)を直列接続した回路をペアとし、抵抗\(\ R_3\ \)と抵抗\(\ R_4\ \)を直列接続した回路をペアとする。これら2つのペアを並列接続し、抵抗\(\ R_1\ \)と抵抗\(\ R_2\ \)の間の点と抵抗\(\ R_3\ \)と抵抗\(\ R_4\ \)の間の点の2点間に検流計を接続し振れが零、つまり平衡しているときに以下の公式が成り立つ。

$$
{R_1}\times{R_4}={R_2}\times{R_3}
$$

電池の内部抵抗

起電力\(\ E[V]\ \)と内部抵抗\(\ r[Ω]\ \)をもった電池に抵抗\(\ R[Ω]\ \)を接続し、電池の端子電圧を\(\ V[V]\ \)とする。そのときに流れる電流を\(\ I[A]\ \)とする。

$$
R=E-rI または r=\frac{E-V}{I}
$$

キルヒホッフの法則に関する公式

キルヒホッフの法則を用いる問題の多くは値の分からない3つの電流を求める。
キルヒホッフの第一法則から式を1つ作り、キルヒホッフの第二法則から式を2つ作る。

これらの式から3元1次連立方程式を解くことで解法を得る。

キルヒホッフの第一法則(Kirchhoff’s Current Law)

回路網中の任意の接続点に流入する電流の総和は零である。なお電流が逆向きの場合はマイナスとなる。
この法則によって以下の式が成り立つ。

$$
I_1+(-I_2)+(-I_3)+I_4=0
$$

キルヒホッフの第二法則(Kirchhoff’s Voltage Law)

回路網における任意の閉回路を一定方向にたどっていく時、回路の各部の起電力の総和と電圧降下の総和は等しい。なおここで定義した閉回路の方向を電流や起電力の正とする。
この法則によって以下の式が成り立つ。

$$
R_1I_1+(-R_2I_2)=E_1+(-E_2)
$$

導体の抵抗に関する公式

導体の抵抗値

抵抗率が\(\ \rho[Ω\bullet m]\ \)で長さが\(l[m]\)、断面積が\(\ A[m^2]\ \)、抵抗値を\(\ R[Ω]\ \)とする。

$$
R=\rho\frac{l}{A} [Ω] $$

導電率

導体中で電流の流れやすさを示す尺度であり、抵抗率\(\ \rho\ \)の逆数である。

$$
\sigma=\frac{1}{\rho} [S/m] $$

温度による抵抗値の変化

ある導体の\(\ 20[℃]\ \)の時の抵抗が\(\ R_{20}[Ω]\ \)であり、抵抗の温度計数を\(\ \alpha_{20}[℃^{-1}]\ \)とした時、任意の温度\(\ T[℃]\ \)における抵抗\(\ R_T[Ω]\ \)は次式で表される。

$$
R_T=R_{20}\{1+\alpha_{20}(T-20)\} [Ω] $$

電力と電力量に関する公式

ジュールの法則

ある抵抗\(\ R[Ω]\ \)に電流\(\ I[A]\ \)の電流が\(\ t\ \)秒間流れたときに発生する熱エネルギー\(\ Q[J]\ \)は次式となる。

$$
Q=RI^2t [J] $$

電力

電力を\(\ P[W]\ \)とし、抵抗は\(\ R[Ω]\ \)に電圧\(\ V[V]\ \)、電流を\(\ I[A]\ \)とした時、電力は次式となる。

$$
P=VI=I^2R=\frac{V^2}{R} [W] $$

電力量

電力量を\(\ W[W\bullet s]\ \)とし、電力は\(\ P[W]\ \)で\(\ t\ \)秒間に継続するとすると、電力量は次式となる。

$$
W=Pt=VIt=I^2Rt=\frac{V^2}{R}t [W\bullet s] $$